大垣警察署警備課と(株)シーテックとの意見交換記録=「議事録」

 風力発電事業者である中部電力子会社(株)シーテックと大垣警察署警備課との間で、4回にわたる「意見交換」があったことが明らかになっている。その中味を記録した(株)シーテック社作成に係る「議事録」を、証拠保全手続きを経て、2015年3月に入手した。入手した「議事録」現物には、個人名や印影などが載っている。

 記述内容をテキスト化するにあたり、氏名等は以下のようにした。
  ・「情報交換」の場に出席した大垣警察署員、(株)シーテック社員、仲介した(株)中部電力社員の氏名は特定できているが、イニシャルとした。
  ・ 風力発電問題の学習会の講師として招かれている武田恵世氏は、ご本人の了解を得て実名を載せた。その他に話の流れで氏名を出された人物についてはイニシャルとした。
  ・「情報交換」の”標的”とされた当事者4名は、「議事録」には実名で記載されているが、ここではA、B、C、Dと記載した。なお、A~Dの実名は、最後尾に記す。

 ・ 議事録にある誤字等については、基本的に「ママ」で掲載した。



Ⅰ 2013.8.7
「大垣市上石津町風力発電反対派による勉強会の実施について」

実施年月日・時  H25.8.7  13:30~14:30
実施場所   大垣警察署別館3階
会議名   大垣市上石津町風力発電反対派による勉強会の実施について
 [出席者] 相手先  岐阜県大垣市警察署 S 警部 M 巡査長 (2名)
              (当社)  K  G長 、T(記)

 

1.概要(主旨)
◆中電大垣営業所経由で中電岐阜支店広報 I課長より、大垣警察署警備課が「南伊吹風力の事業概要情報を必要としている」旨の連絡が当Gに入ったので訪問した。

 

2.打合せ内容 ( :当社 △ :大垣警察)
① △:岐阜新聞7月31日(水)版に「大垣市上石津町で風力発電について学ぶ勉強会が行われた」ことが掲載されたことを知っているか。
 〇:7月28日に勉強会が行われるという情報は事前に入手していたが、新聞に掲載されたことは承知していなかつた。
 なお、新聞によると11名が参加と書いているが、実際は9人だつたことは参加者から情報を頂いて把握している。

② △:同勉強会の主催者である A氏やB氏が風力発電に拘らず、自然に手を入れる行為自体に反対する人物であることを御存じか。
〇:今回風力発電を計画している関ヶ原町及び上石津町両地域内のうち、上石津地区の上鍛冶屋自治会関係者で有ることも把握しており、以前メナードゴルフ場建設時にも反対派として活動されたことも承知している。
 地元の有力者から、あいつらは何でも反対する共産党と呼ばれていると聞いている。
                   
③ 〇: 当社が計画している「南伊吹ウインドパーク南伊吹風力発電事業(仮称)【概要版】にて工事概要・工期等を説明
△: 環境アセスは、どこまで進んだのか
〇:平成23年5月から調査を実施してきており、今年度準備書を提出したいと考えているが、地権者との交渉をこれから開始する段階であり、具体的には準備書の提出は、いつになるのか何とも言えない。

④ △:上記、B・A氏は②で述べたとおりであるが、同じ岐阜県内で活発に自然破壊反対や希少動物保護運動にも参画しており、岐阜コラボ法律事務所とも繋がりを持っている。
 また、大垣市内に自然破壊につながることは敏感に反対する『C氏』という人物がいるが、御存じか。本人は、60歳を過ぎているが東京大学を中退しており、頭もいいし、喋りも上手であるから、このような人物と繋がると、やっかいになると思われる。 
  このような人物と岐阜コラボ法律事務所との連携により、大々的な市民運動へと展開すると御社の事業も進まないことになりかねない。
 大垣警察署としても回避したい行為であり、今後情報をやり取りすることにより、平穏な大垣市を維持したいので協力をお願いする。
〇:当社としても、今後、地元交渉を精力的に開始する予定であることから、色々な情報交換をお願いしたい。
△:了解した。

 

3.その他
 ・ 大垣警察署への対応終了後、中電大垣営業所K所長及びM総務課長を訪問し、警察への対応を完了したことを報告した。

                                                                                          以上


 Ⅱ 2014.3.4
「南伊吹風力発電事業の用地交渉進捗について」

実施年月日・時  H26.3.4   15:00~15:45
実施場所   大垣警察署別館3階
会議名   南伊吹風力発電事業の用地交渉進捗について

 [出席者] 相手先  岐阜県大垣市警察署 S 警部 M 巡査長 (2名)
              (当社)  K  G長 、T(記)

 

1.概要 (主旨)
◆ 関ケ原町。上石津町の各地区で説明会を行い、友好的な関係を地区の方々と築いてきた。
 関ケ原町では、測量に伴う土地立入交渉がすべて終わり、順次測量を進めている。
 そうした中、大垣市上石津町上鍛冶屋地区の年度末総会において、測量に伴う土地立入禁止の決議がされた。南伊吹風力発電事業用地交渉の進み具合報告と、地区からの反対運動を発生させないための相談方々、大垣警察署警備課を訪問した。

 

2.打合せ内容 ( :当社  △ :大垣警察)

① 近況報告
  : 住民説明会等も順調に進み、関ケ原町10地区すべて。上石津町9地区のうち8地区まで測量に伴う土地立入の了解が取れた。しかし、2月2日(日)大垣市上石津町上鍛冶屋地区の年度末総会において、測量に伴う土地立入の可否について検討議題に挙げられ、立入禁止が決議された。同総会において、反対運動者のA氏が平成26年度の上鍛冶屋自治会長に選出されたこともショッキングであり、今後同地区への対話入口が閉ざされた感がある。
 上鍛冶屋地区年度末総会を踏まえ、ちょうど1週間前の1月26日(日)に上石津町上鍛冶屋公民館と農村開発センターの2か所で、午後2時と午後6時30分の2回に分け「風力発電勉強会」という名の反対集会が開催された。今回は、山口県と和歌山県から2名の風力反対者を招き、体験話がされている。
                          --- 資料-1参照

② 警察からの情報
△ : B住職が、平成26年度「岐阜コラボ法律事務所友の会」の役員になった。また、Aと交代で友の会役員を行っているようである。
 風車事業に関して一部法律事務所に相談を行った気配がある。
  : 情報有難うございます。B住職の奥 さんは、上石津町の広報的な役目を担っており厄介だと感じている。

③ 今後の進め方について
△: 上石津町役場と相談しながら、具体的な進め方を相談されたらいかがでしょうか。
  : 法アセスの準備書は上鍛冶屋地区を除き順次進める。交渉可能地区や役場等から話を進め、周囲を固めることにより上鍛冶屋地区を孤立化させる。周りの地区から、「なぜ賛成できないか」の声が上がるよう仕向けたい。
 今後も地元交渉を精力的に継続する予定である。大垣警察署から頂ける情報があれば連絡をお願いしたい。
△ : 了解した。

                                     以上

 


Ⅲ 2014.5.26
「南伊吹風力発電事業の用地交渉進捗について」

 

実施年月日・時  H26.5.26  16:00~17:00
 実施場所  大垣警察署別館3階
会議名  南伊吹風力発電事業の用地交渉進捗について
    [出席者](相手先) 岐阜県警大垣市警察署 Y警部(警備課長)、M 巡査長 (2名)
        (当社)  T (記)

 

1.概要(主旨)
◆5月20日上石津上鍛治屋地区から風力発電中止の嘆願書が大垣市長あてに出された旨の新聞報道がなされた。元来、過激な運動を起こす可能性のある上鍛治屋地区であり、今回のような行動を危惧し大垣警察署警備課との話し合いの場を設けている。また、前警備課長の退職に伴い新警備課長が着任しているので挨拶も兼ね訪問した。

 

2.打合せ内容 ( :当社  △ :大垣警察)
① 近況報告
  : 5月11日付けで、(株)シーテック本店および中部電力(株)本店に「南伊吹風力発電事業中止」を求める「要望書」が6月15日に届きました。その中身は、
    ① 地区の同意も得ぬうちに測量杭を打ち、調査を行った。そんな会社は社会的責任のある会社とは認められない。
    ② 2月の総会で測量立入に対する「賛否」をとり、11:27で否決された。その内賛成11は測量にともなう立入に賛成するものであり、風力発電事業に賛成するものではない
    ③ 上鍛治屋の所有(一村総持)する林道は、財産区の山を管理・保全するものであり、風力発電事業のものではない。
    ④ 当事業を行うことにより、上鍛治屋地区の住民がいがみあうことになり地域が崩壊する
となっていた。(口頭報告)   ---資料-1 参照
〇: 5月21日と5月22日に「大垣市長あてに嘆願書が出された旨」の新聞報道がなされた。 (5/21朝日・毎日・岐阜新聞3紙 5/22中日新聞1紙)
 また、その新聞記事の中に、5月21日岐阜県知事あてに「嘆願書」を郵送するとも書かれていた。(新聞記事のコピーを渡す)        --- 資料-2 参照
△ : 新聞記事は読んでおり、承知していた。

② 警察からの情報
△ : 今回の行動は、来年の統一地方選挙に向けて動き出した気配がある。共産党の株を少しでも上げることに利用したいのではと思う。
△ :Aは、岐阜コラボ法律事務所の事務局長である「D」と強くつながっており、そこから全国に広がってゆくことを懸念している。現在FDは気を病んでおり入院中であるので、速、次の行動に移りにくいと考えられる。
△ : 今後、過激なメンバーが岐阜に応援に入ることが考えられる。身に危険を感じた場合はすぐに110番して下さい。

③ 今後の進め方について `
  :上鍛治屋一村総持の土地を通過して、道路を造ることはかなり困難となった。しかし、当社は風力発電事業を断念するつもりはない。現行の計画で理解いただけるよう今後も押し進めてゆくつもりである。大垣警察署から頂ける情報があれば連絡をお願いしたい。
△ : 了解した。

                                                                    以上


Ⅳ 2014.6.30
「上鍛治屋とCの新たな動きについて」

 実施年月日・時  H26.6.30  13:30-14:30
 実施場所  大垣警察署別館3階
会議名  上鍛治屋とCの新たな動きについて
    [出席者](相手先) 岐阜県警大垣市警察署 M巡査長 
        (当社)  T (記)

 

1.概要(主旨)
◆ 6月24日、大垣警察署警備課M巡査長から昨年(H25)8月に情報を頂いた「C」が風車事業に対して動き出す気配がある旨の電話を頂いた。また、上鍛治屋のAが自地区でない一之瀬で、「風力発電の勉強会」を開催したので報告すると共に、Cの動向を聞くため訪問した。

 

2.打合せ内容 ( :当社  △ :大垣警察)

①  近況報告
 : 6月20日(金)大垣市役所上石津地域事務所一之瀬支所2階(いちのせグリーンプラザ)において、Aが主宰する「風力発電勉強会」が伊賀市の武田恵世を迎へて行われた。
 ● 勉強会のチラシは、一之瀬および多良地区へ6月16日の新聞に挟まれて配られた。(どこの新聞に挟まれたかは不明である)            --- 資料-1 参照
 ● 6月30日(月)現在、勉強会出席者人数など調査中である。地元有力者からの情報は入手出来ていない。
 ● 一之瀬支所の支所長(FN氏)は風車事業に対し、協力的な立場をとって頂いている。.いちのせグリーンプラザ使用申込がAであったが「勉強会」の名目の為、使用を承諾されたとのことであった。
 : 6月26日(木)中部電力(株)株主総会に「大垣市のC」が出席し、質問をしている。
 ● 中部電力の取締役は、原子力稼働を前提として発言をしており、不安に感じる。
 地域との共生と言いつつ、地元の声を聞いているか、CSRの観点から取締役の意見を明確にしてもらいたい。大垣市において、シーテックが進めている風力発電事業は地元を無視しているとの意見も述べた。
 ● ①に対して副社長から、「中部電力としてCSRについてどう考えているか」という趣旨で一般的な回答が行われた。事業に対し、中部電力グループの規会社としてしっかり指導してゆきたいとの回答がなされた。

② 警察からの情報
△ : Cの動きについて
 ● 弁護士法人「岐阜コラボ」が毎年5月3日(憲法の日)に主宰する「西濃憲法集会」が一息ついたので、風車事業反対活動に本腰を入れそうである。西濃憲法集会では、原子力反対と戦争反対を唱えている。 --- 資料-2 参照
 ● Cは、徳山ダム建設中止訴訟を起こした張本人である。また、その時に伊賀の歯医者「武田恵世」と知り合い、原子力発電反対でも武田と繋がっている。そういう意味でも、風車事業反対に乗り出してきているのではないか。 

     --- 資料-3 参照
 ● 反原発・自然破壊禁上のメンバーを全国から呼び寄せることを懸念している。

③ 今後の進め方について
 :  新しい情報が入り次第大垣警察署警備課へ連絡をする。また、大垣警察署から頂ける情報があれば連絡をお願いしたい。
△ : 了解した。                                        以 上



A=三輪唯夫、B=松島勢至、C=近藤ゆり子、D=船田伸子

 

この4名が大垣警察市民監視違憲訴訟の原告である。